Home電子工作真空管試験機の製作

2005.02.09

前々から作ろうと思っていて、中々手が出せなかった真空管試験機を作ることにしました。
まだ完成した訳ではないので、実験記として始めたいと思います。
途中で挫折しないよう、応援よろしくお願いします。(2005.04.08に完成しました。)
なお、時々BGMとして中島みゆきさんの地上の星が流れるものとします♪(^^)!

真空管試験器というと左の写真のような物が一般的です。
実はこれも喉から手が出る程欲しいのですが、今回はEP−IP特性曲線が測定できる物を作ろうと思います。
いわゆるカーブトレーサーと呼ばれる物です。


写真提供:ラジオ工房
左のグラフは6FQ7のEP−IP特性曲線です。
これはグリッドバイアス電圧を固定し、プレートの電圧(EP)を変えたときのプレート電流(IP)の変化をグラフにしたものです。
バイアス電圧を一定のステップで変えて複数回測定すれば、左のグラフになる訳です。



資料提供:私のアンプ設計マニュアル



パソコン制御の試験機

2005.02.09

さて作りたい物を説明したところで、具体的な計画に移りましょう。
ズバリ!
パソコンを使って自動計測できる物を制作します。
こう書くと、プロジェクトX(エックスではありません。バツですから...残念!)ぽいでしょ^^

冗談はさて置き、これまで作ってきた物を総動員すれば、それ程難しい課題ではないような気がします。
例えばプレートの電圧を自動で変えるには、D/Aコンバータの出力を利用すれば良い訳ですし、電圧や電流を読むにはA/Dコンバータがあれば難しくありません。

実はそんな装置があるんです。

左は私が過去に制作した装置の一つで、RS−PADと命名しました。
名前の由来は、RS−232Cで24ビットパラレルI/Oと8チャンネルのA/Dコンバーター,1チャンネルのD/Aコンバーターを制御できるからです。
つまりRS−232CでParallel,A/D,D/A制御なのです^^

RS−PADが今回の主役ですが、実は性能的に若干(うそです)の問題があります。
それはA/Dコンバーターの分解能です。
プレート電圧は200Vを越えるので、8ビットのA/Dコンバーターでは誤差が大きすぎます。
ましてやプレート電流は、負荷抵抗両端の電圧をそれぞれ測って、その電位差から換算しようと思っているので、電圧の測定誤差はさらに大きくな誤差になってしまいます。

この装置を作った当時はA/Dコンバーターもまだまだ高価な時代で、8ビットでもいっぱいいっぱいでした。
しかし役不足は否めません。別の方法を考える事にしましょう。

なおD/Aコンバーターも同じく8ビットなのですが、これは使えそうです。
プレート電圧を0V〜255V(0〜&hFF)まで、1Vステップでコントロールできれば充分でしょう。
しかしこの電圧コントロールがうまくできるかどうかが、成否のカギを握っていると思います。


電圧源を作る

2005.02.11

今回作ろうとしている装置。
それはコンピューターで制御できる高電圧電源以外の何物でもありません。
ゼロボルトから数百ボルトまで、リニアにコントロールできる電源さえあれば、あえて作る必要は無いのです。
こういった電源は高砂製作所など、老舗の電源メーカーから販売されています。
しかしとても高価で、アマチュアが簡単に買える代物ではありません。またそれ程の精度も必要としません。

電圧は既に書いた通り、0Vから255Vまで1Vステップで設定できることにしました。
電流の容量ですが、最大0.1A流せればプレート損失25.5Wの球まで測定できることになります。
欲を出して失敗したくないので、これで良しとします。
基本的な考え方を回路にしてみました。

2005.02.12

Tr1のエミッタはRs,Rd,ADJでGNDに接続されているので、初めは0Vです。
ここで+Bに電源が供給されると、Rbを通してベースにも電圧が加わり、その結果ベースからエミッタに電流が流れTr1はONします。
しかしこのままではOUTには+Bの電圧より少し(Tr1の接合電圧)だけ低い電圧が出るだけです。

さてこの状態でTr2をONさせると、どうなるでしょうか。
Rbを通してTr1のベースに供給されていた電流は、Tr2を通ってGNDに流れてしまいます。
その結果Tr1はOFFして、OUTには電圧は出てこなくなります。

トランジスタの動作はONあるいはOFFだけでなく、その中間の状態も存在するので、Tr2のコレクタ電流を増減させることで、OUTの電圧を可変できることになります。

一方OPAMPの入力にはD/Aコンバーターからの電圧と、ADJの可変抵抗器からの電圧が加えられています。
ここではD/Aコンバーターの電圧が一定で、充分安定しているものとして話をしますが、OPAMPは二つの入力端子の電圧を等しく保とうとする働きがあります。
もしOUTに接続された負荷の変動でOUTの電圧が下がると
1.OPAMPの+端子電圧が下がる。
2.OPAMPの出力電圧が下がる。
3.Tr2のコレクタ電流が減る。
4.Tr1のベース電流が増える。
結果としてOUTの電圧が上がる事になります。
ですからD/Aコンバーターの電圧が一定なら、OUTの電圧も一定する定電圧電源です。
逆に言うと、D/Aコンバーターの電圧でOUTの電圧をコントロールできるわけです。

RS−PADのD/Aコンバーターの分解能は8ビットで、0〜&hFF(10進数の255)までの数値に対応して0〜5Vの電圧を出力します。
この変化でOUT端子を0〜255V可変させます。
これはD/Aコンバーターの電圧が5/255=0.0196、つまり19.6mVの変動が出力1Vの変動を生むことを意味します。
可変はできても変動してはならないのです。
(不安モード突入!)

計画では&hFFを出力した時に、OUT端子が255VになるようにADJを調整すれば、&h7Fの時は127Vになる予定なのですが、さて実際にそううまくいきますでしょうか、お楽しみ^^

2005.02.15

部品入荷待ち

回路が決定して、さて実験に移ろうかと部品箱を漁ったのですが、さすがにドラえもんの4次元部品箱にも、高電圧で使えるトランジスタはあまり有りませんでした。

それでもTr1に使えそうな物だけは見つけました。
しかしこのトランジスタはHfeが低くて、ダーリントン接続しないと使えそうもありません。
その他、高価なTr1を昇天させたくないので、保護回路も付けたいです。
しかたがないので、通販で部品を発注しました。
入荷を待つ間に、ほかの実験をしてしまおうと思います。

その前に
「+Bにはどんなものがつながんの?」(北海道弁のイントネーションで)
と聞かれそうなので、真空管機器の実験用電源をご紹介します。

これは安価で買える絶縁トランスヒータートランスを組み合わせて作った、真空管専用の実験用電源です。

絶縁トランスの二次巻線には、100Vの他に110V,120Vのタップが付いている物を使いました。
これらのタップと両波整流,倍電圧整流を組み合わせて、合計8種類の高電圧が出力できます。

ん?計算が合わない?6種類だろうって?
いや、どなたかのホームページからアイディアをいただいて、一次巻線のタップも切り替えているんです(^^)



電圧を読む

2005.02.15

A/Dコンバーターが役不足(おっと、正確には役者不足というそうです)なのは既に書きました。
どうしましょう。
いや〜、便利な物があるんですねぇ。
下の写真は旭計器のデジタルパネルメーターです。

AP−202Aシリーズ。
隣のホッチキスと比べるとその小ささがわかりますね。
これでBCD出力がある他、入力はアイソレーションされている優れものです。

RS−PADには24ビットのI/Oポートが付いています。
内部は8255の名前で有名な、PPIPIOとも言う)です。

ここにパネルメーターのBCD出力をつないで、電圧を読むことにしました。
簡単に取り込む事ができました。
モニターの中のDOS窓の中央付近に、取り込んだ電圧を表示しているのが解るでしょうか。
(写真をクリックすると拡大できます。)
バラックなので小数点の処理などはしていません。本格的な製作の時までお預けです^^
これで12.3Vを表示しています。


この時の回路図です。

2005.02.16

怪我の巧妙...になるかも

実はこのパネルメーターを購入した時は、高圧が測れる事だけを考えていました。
それでフルスケールが199.9V用を買ったのです。
少し考えれば解る事なのですが、分解能は0.1Vです。(がちょ〜ん...って死語ですね)
これでは図1のCHKとOUTをそれぞれ測って、その電位差から電流を算出する方法には使えません。
シャント抵抗Rsと並列に接続すれば良いのですから、1.999Vの物を買うべきでした。
(その時、男は泣いた...)

しかし後悔してもはじまりません。前進あるのみです!
ひらめいたのはその時でした。(ここで「地上の星」♪)

プレート側で測る事ばかり考えていたのです。
図1のOUTはプレートに、カソードはGNDにつながります。
三極管(接続)ならコントロールグリッドの電流は無視できます。
それならプレート電流=カソード電流ではないか?!
カソードとGND間にシャント抵抗を入れて電圧を測れば...
そう。ちょうどカソード抵抗のように...

いや!待てよ!!
それだと自己バイアス回路と同じだから、プレート電流によってバイアスが変わっちゃうなぁ

いや!待てよ!!を待てよ!!!
バイアス電圧用の電源と+B電圧の回路のコモンが、共通でなければ可能だべや!!(北海道弁です。関東生まれの関東育ちですが「じゃん」とは言いません。)

せっかく地上の星♪が流れているのですが、息抜きに寒い駄洒落をお一つ。
男1:俺きのう熊見たベア
男2:俺は鹿みたデア
男3:俺なんか蛇見たジャ
(う〜ッ!さぶ〜)

そうだッ!それならRS−PADのA/Dコンバーターが使えるだろッ!!

う〜ッ!
早く部品来ないかなぁ


制作再開

2005.02.28

やっと部品が届きまして、本格的に制作を再開しました。
上の回路を基本にして組んでみたところ、以外にあっさり動いてしまいちょっと拍子抜け。

負荷として蛍光灯のナツメ球3個を直列にしたもの2組を並列につないで見ました。
1個あたり5Wなので、これで30Wの負荷です。
300V0.1Aが思いのほかスムーズにコントロールできました。

この時点での回路図です。
ナツメ球が明るくてデジカメがそちらに反応。
ちょっと見難い写真になってしまいましたが、左のテスターの電圧が印加電圧で、右がコントロール後の電圧です。

ついでにナツメ球を2個シリーズ,3組パラで、200V0.15A負荷も実験してみましたが、こちらもスムーズでした。

それにしても写真のようにゴチャゴチャした机の上で、パソコンと接続しての高電圧コントロールは、やはりチョット怖い(汗)。
出来上がった高電圧制御ユニットの全体像。

高圧の掛かる部分と、OPアンプなどの低圧部分は基板を分けて制作しました。

また高圧のADJには多回転のポテンショメータを使っています。
このポテンショで、DACが最大出力時に0.1A負荷で255V出るように調整します。

問題は小負荷時の低電圧領域の直線性かも...

2005.03.02

先に説明したようにD.P.M(デジタルパネルメーター)の選択の誤りから、IPはコールド側で測定します。
しかしこの事から、どうしてもプレート電流によってカソードはGND電位より高くなってしまいます。
そこでD.P.Mをプレートとカソード間に入れて、電圧を監視することにしました。

ここで測定の手順を整理しましょう。
先の6FQ7のグラフを作る事を考えてみます。

1.DACに0を出力
2.バイアス電圧を−10Vにセット(とりあえず手動)
3.D.P.Mの値を読む(EP)
4.ADCの値を読む(IP)
5.EP×IPの値が最大定格を越えていないか?
6.越えたらGOTO10
7.DACの値が&hFFか?
8.&hFFならGOTO10
9.DACを1インクリメントしてGOTO3
10.DACに0を出力して終了

これでバイアスが−10Vのカーブのプロットは終了です。
DACがもう1チャンネルあればバイアスも自動化できるのですが、それは後で考える事にしましょう。

IPの読み取り精度

次にIPの精度はどの程度になるでしょうか。
回路図ではシャント抵抗として390Ωの抵抗を8本使っています。
リレーで2本パラと8本パラの状態を作ります。
この時の合成抵抗値はそれぞれ195Ωと47.85Ωになります。
リレーはOFFで8本がパラになるように接続します。(B接点ですよね)

先にも述べましたが、RS−PADのADCは分解能が8ビットで、フルスケールは5Vです。
したがって47.85Ωの抵抗に5Vが発生する電流を計算すると
5/47.85=0.1044932
で、これを8ビットの分解能255で割れば
0.1044932/255=0.0004097
となり、精度はおよそ400μAということになります。

またリレーがONの時は合成抵抗は4倍になり、同様に計算すると約100μAになる事がわかります。
もう一桁上の精度が欲しいところですが、カーブトレーサーは絶対値よりも相対的な変化がわかればよいので、なんとか使い物になりそうです。

今後の作業予定

2005.03.04

頭の中で漠然としている物を整理しておきます。

1.OPアンプ回路の電源確保(6.5V以上が必要) .........................2005.03.11完了
5V単電源で動かしたいので、スイッチングレギュレータTL497で昇圧する
2.D.P.Mが測定を終了した時に出力するパルスを、確実に捕らえるための信号処理...2005.03.15完了
1.パルスでフリップ・フロップをセットし、これをパラレルポートのPB7で監視
2.PB7が変化したら、データをリード(PA0〜7,PB0〜4)
3.セットされたフリップ・フロップを、PC0でリセットして測定終了
3.D.P.Mのフルスケールが199.9Vなので、×2のレンジを作る ...............2005.03.17完了
1/2の分圧回路を作り、読み込んだ値をソフトで2倍する予定
4.いくつか必要になるであろう、リレーのコントロール回路(PIOとのインターフェース)....2005.03.16完了
ア.+Bおよびバイアス電圧のON/OFF切り替え(PC1)
イ.シャント抵抗のレンジ切り替え(PC2)
ウ.D.P.Mのレンジ切り替え(PC3)
エ.D.P.Mが読み取る電圧(+B or バイアス)切り替え(PC4)
5.この辺で、ソフトを書く .........................................2005.03.26完了
基本動作や高圧電源の直線性が正確に解る予定
6.真空管専用の実験用電源を改造する
現在は出力線が直接引き出されているので、ターミナルを付ける
7.バイアス電圧を連続可変する回路の制作(ちょっと名案あり(^。^)...でも出来るかは不明(・・;)
とりあえず多回転のボリュームで可変
8.ケースに入れて最終組み立て。そして完成
お疲れ様でした。
9.追加構想
ヒーター電源は真空管回路実験用電源からの供給の他に外部供給の端子も付ける
実験用電源から供給できるのは交流6.3Vと12.6Vである
これを内部で整流して直流でも点灯できるようにする(1.2V〜12.6V1A連続可変)
外部供給はスライドトランスで行い、50V用の球なども試験できることとする
もちろんこれらの電圧はD.P.Mで読めること

う〜ん
先は長いが、少し見えてきた。
今月中に完成させるぞ!!

2005.03.12

後々の保守も考えて、回路図は基板毎に分けて書いてみました。

この基板の回路図です。
構想では、全体を5V単電源で動かそうと思っていました。しかし12Vのリレーも使わなければ数が揃わないので、単電源は断念です。

単電源を断念したら、逆に5VはRS−PADから供給できる事に気付きました。そこでこの基板は12Vから6.5Vを作って動かしています。

LM358のユニット1が保護回路で、ユニット2が高圧制御です。
ヒステリシスは10%です。約120mAで保護が働くように調整しました。

この基板の回路図です。

2005.03.15

ホームページを作るのって、結構面倒なものですね。
制作だけでなく、回路図や資料を整理したり、写真を撮ったり...
でも、段々とその作業にも慣れて来ました。
今後は費用を含めた部品表の作成も考えています^^

D.P.Mの測定終了信号(C.P)を処理する回路です。
D.P.Mは1回の測定毎に、C.Pに約1mSのパルスを出力します。
これをフリップフロップ74LS107CKで受け取ります。
これにより反転出力/QはHからLに変化し、CLRがLになるまでその状態を保持します。パソコンは出力Qを監視してデータを読み取ります。

回路図だけでは分かりにくいので、D.P.Mの取り扱い説明書()、それからフリップフロップの真理値表もアップしておきます。併せてご覧ください。

2005.03.16

上でアップした真理値表は7473のもので、107のCKはネガティブリーディングエッジトリガーなので厳密にはCKがHからLに遷移する時にデータが変化する事を付け加えておきます。

さて「今後の作業予定」の(2)ができて、D.P.Mのデータが取り込めるようになりました。
ソフトを書くのはもう少し後ですが、BCDで取り込んだデータを10進数に変換する部分を紹介します。
例えば179.5Vの場合、ポートAとポートBには次のように格納されています。

PB7−−−変換終了信号。変換中はLで、Hなら終了。
PB6−−−+または−の符号。+の時H
PB5−−−オーバーフロー信号。1999を越えたらH
PB4−−−百の位。この位は1か0しかありません。この例では1です。

PB3−−−0(以下4桁が十の位)
PB2−−−1
PB1−−−1
PB0−−−1

PA7−−−1(以下4桁が一の位)
PA6−−−0
PA5−−−0
PA4−−−1

PA3−−−0(以下4桁が少数の位)
PA2−−−1
PA1−−−0
PA0−−−1

このようになっています。
解説は省略して、BASICの場合は次のようにすると目的が達せられます。
言語が違っても考え方は同じなので、参考になれば幸いです。
*変数PAとPBに上のデータが入っているものとします。

20 PAL=(PA AND &H0F)
30 PAH=(PA AND &HF0)/16*10
40 PBL=(PB AND &H0F)*100
50 PBH=(PB AND &H10)/16*1000
60 DT=(PBH+PBL+PAH+PAL)*0.1

もしD.P.Mが百の位も1〜9まで表示できるタイプなら、50行目は
50 PBH=(PB AND &HF0)/16*1000
となります。

ついでに変換終了待ちのルーチン(ってか1行ですが...)は次の処理になります。
10 IF (PB AND &H80)=0 THEN GOTO 10
同様にしてPBの値と&H40でANDすれば符号が解り、&H20とならオーバーフローが解ります。
70 IF (PB AND &H40)=0 THEN DT=DT*-1
80 IF (PB AND &H20)<>0 THEN DT=9999:'オーバーフローなら9999を返す
90 RETURN

これで変換のサブルーチンはできました。
このルーチンをコールする前に、PC0を一度Lにしてフリップフロップをリセットしておけばバッチリです(^^)!
さらに言うと、PC0をLのまま固定すれば、D.P.Mはフリーランでデータを取り続けます。
バイアス電圧を調整する時や、「追加構想」のヒーター電圧を読む時にはこのようにします。

2005.03.17

D.P.Mの×2レンジを作る為にはリレーのインターフェイス回路が必要なので、そちらを先に作りました。
放熱器の下に見えるオムロンのG2V(生産中止?)でレンジを切り替えようと思います。
+BとバイアスのON/OFF切り替え,D.P.Mが読み取る電圧(+B or バイアス)切り替えには、もう少し大きなリレーを使う予定です。


この基盤のここまでの回路図です。
D.P.Mの×2レンジの制作も終って、作業はいよいよソフトの段階に入りました。
この間は説明や回路図は無いので、ソフトの完成までページの更新はありません。

なお釈迦に説法かも知れませんが、×2レンジの回路で、100kとシリーズに1kが入れてあるのは、D.P.Mの内部抵抗10MΩに対して100kが丁度1%にあたることから、100kに対して1%にあたる1kを入れたものです。

この基盤のここまでの回路図です。

2005.03.26

やっとソフトが完成して、それらしくなってきました。

写真のグラフは先の実験で使用したナツメ球を接続して、電球の特性を測定したものです。

ケースに組み込まないと真空管の試験はできないので、明日から完成に向けて一気に突っ走る予定です。


2005.04.08

大変永らくお待たせいたしました^^。
やっとお披露目できるレベルまで漕ぎ着けたので、発表します。
まずは全体の写真から。

3個の穴はソケットが無かったので、パンチが入る穴だけ開けておくことにしました。



全回路図はこちらです。
写真のようなコードで、真空管の種類ごとに設定を行います。
ミノ虫クリップを大きくした様な物は、プレートキャップやグリッドキャップ付きの球用です。
設定部分の拡大写真です。
赤がプレート、順にカソード,コントロールグリッド、交流点火用のヒーターグランド,6.3V出力,12.6V出力,直流点火用ヒーター出力,直流点火用グランドになっています。
緑のソケットは上下がそれぞれつながっていて、1〜9までの真空管ソケットの当該番号に接続してあります。
これにより、渡り配線すれば全ての球に対応できます。
設定すると写真のようになります。
この例は6AR5です。
1番ピンがコントロールグリッド。
2番ピンがカソード。
3番,4番ピンがヒーター。
5番ピンがプレート。
6番ピンがスクリーングリッド。(5番,6番短絡で3極管接続にした。)
7番ピンはN.C.です。
7ピンのMT管ソケットに6AR5を刺して、いざ測定!!





非測定中はバイアス電圧とヒーター電圧(直流のみ)を、スイッチで切り替えて表示させる予定ですが、スイッチが1個不足で現在はバイアス電圧だけしか表示できません。
測定を開始すると自動でプレート電圧に切り替わります。
実際に測定している様子です。
かなりコンパクトに仕上がりました。
ケースは2球ワイヤレスマイクを作った時と同じ、リードのP−1です。
6AR5を測定した結果のグラフです。
カーブは0V〜−25Vまで、5Vステップで測定してみました。
低電圧の領域でドットがばらついていますが、高圧の領域はかなり綺麗にサンプリングできています。
(低圧領域は電源回路の改良が必要なようで、今後の課題です。)


何はともあれ、約2ヶ月をかけて一応の完成をみました。
後から気づいた事なのですが、直熱管も、フィラメント用に別電源を用意すれば測定可能です。

改良すべき点はまだまだありますが、ソフトの方はかなり満足な動作をしています。
たとえば入力した最大プレート電圧で、グラフの横軸が最大120V,180V,300Vと変わります。
同じように縦軸も、最大12mA,60mA,120mAと変化します。
またリアルタイムで読みこんだ電圧と電流の値から、プレート損失を計算して定格に達したら自動的に測定を終了させるなど、パソコン制御でなければ難しい処理も簡単にできました。

今後は電源回路の改良と、”RS−PAD改”を作ろうと考えています。
そのときにはA/D,D/Aコンバーターともに12ビットは欲しいですね。
スーパーAKI−80を利用してやろうと目論んでいます。
その節はまた、ご声援お願いします。
長い間このページを見続けていただいた方がいらっしゃるようで、ありがとうございました。

by JK8JKW

終劇


後日談

2007.09.08

高圧の電源回路を改良しました。
OPアンプが発信していたようで、コンデンサを1個追加することで止める事ができました。
2005年03月26日付の写真と比べると、50V以下の低圧部分のドットのばらつきが格段に改良されています。
よく見ると10mAを超えたところに1ドットの抜けがあるように見えますが、これは電流検出のためのシャント抵抗を切り替えたことによる、分解能の変化によるものです。
変更後の全回路図はこちらです。
6AR5を測定し直したグラフです。

コンピューターの画面はわざわざ写真を撮影しなくても、スクリーンショットを利用すれば良い事に気づきましたので(笑)見やすくなったと思います。
2007.09.10 ソフトを少し改良して、gmが測れるようにしました。
【プレート電流の変化分】/【バイアス電圧の変化分】×1000( μモー)で算出しています。
バイアス電圧は電流が少ないので甘く考えていましたが、上式から、細かく設定できないと正確な結果は得られない事を実感した1日でした。
2007.09.11 プレート電流の少ない球を測定してみて、まだまだ改良しなければならない点がたくさんある事を痛感しました。
まず第1にバイアス電圧ですが、5V以下の低電圧範囲では、1mVレベルで設定できないと駄目だと思います。
また電流レンジはフルスケールで5mAのレンジも必要みたいです。シャント抵抗1KΩが必要かな。
色々な球を測定することで、改良すべき点を炙り出したいと思っています。
2007.09.18 30A5でエミッションの測定実験をしてみました。
+Bを+20Vに設定してG1に印加したところ、保護回路が働いたようで、電圧は約13Vまでドロップ。電流値は100mAオーバーで測定不能に。
ヒーターとカソード以外を一つにまとめて二極管とした場合、電流は更に増えると思われます。
エミッション測定機能を持たせるには、バイアス用電源を強化した上で、正の電圧も印加できるようにする必要がありそう。
或いは電流が測定可能な値になるよう、電圧を加減する方が良いかも。
いずれにしてもG1に+の電圧がかかるので、測定は可能な限り短時間で行う必要があります。
リングメモリーにフリーランで取り込み、電流の値に変化がなくなったとき測定終了というのはいかがでしょうか。
それからガス管の測定機能も欲しいし、まだまだ課題は尽きません。
2007.09.19 外部電源を使用することでエミッション測定もできるようになりました。
電圧をどの程度にして良いか判らないので、5V,10Vといろいろな電圧で試してみました。
測定はまだ双二極管の6AL5だけですが、この球は15Vで電流が最も多く流れたのは85mAと81mAでした。電流が少なくてエミ減と思われる球では18mAと3mAという結果でした。手持ちの12本のうちのほとんどは50mAから70mAの範囲に収まりました。
最大定格をはるかに超えた電流を流していますが、市販の試験器では20Vから30Vの電圧をかけているようなので、この値は安全圏だと思います。またパソコン制御のおかげで測定は瞬時に終了するので、真空管にとってはアナログメーター式よりもストレスは少ないはずです。

はじめはリングメモリー式でプログラミングしてみましたが、試行錯誤の結果、リレーをONして電圧を印加してからすぐに電流測定を開始して、その値が3回連続で同じ値だったらリレーをOFFにして測定終了としました。
連続の回数は多くすれば安定はしますが、印加時間が長くなるので3回としました。
言語がBASICなので、A/Dコンバータの変換時間とソフトの処理時間が適度な待ち時間となって、電流が安定した頃に測定できているようです。
同じ球を複数回測定してみましたが、ほぼ同じ値を表示するので、この方法で充分実用になると思います。